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代表・松野が聴く!生産者・伊藤さん 前編 – 有機野菜の美味しさの理由 –

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代表・松野が聴く!生産者・伊藤さん 前編 – 有機野菜の美味しさの理由 –

代表・松野が聴く!生産者・伊藤さん 前編 – 有機野菜の美味しさの理由 –

有機農業の生産者の方々からディープなお話を伺う企画の第2弾です!
オーガニック野菜との向き合い方、また有機農業の未来など、多方面に語っていただきます。

今回は、いとう農園の伊藤省吾さんです。
山梨県の西部、八ヶ岳と南アルプスを望む北杜市で、無農薬栽培を18年続けていらっしゃいます。
野菜が美味しいのはもちろん、大きさも立派で、揃っていて、パッケージも格好良く、見た目でも大手スーパーに陳列されているようなお野菜に負けていません。野菜の選別と袋詰めに、かなりの手間がかかっていると思いますが、これをご夫婦二人だけでこなされているのには脱帽です。

この日は雑木林に囲まれたご自宅のお庭で、バーベキューをご馳走になった後、お話を伺いました。
素敵なお庭と農園の様子は、後の おまけ でご紹介します。

聞き手は弊社代表の松野です。

前後編・2回に分けてお伝えします。


運命の出会い・山梨県で農業

【松野】農業を始めたきっかけから聞かせてください。

【伊藤】自分にあった仕事を探して、何度か転職していました。1999年に京都の会社で働いていましたが、そこも続けようかどうしようか悩んでいる時に、妻がふと「農業なんてどうかなぁ」って言った、その一言がきっかけになりました。

当時も年に何回か、東京で就農フェアがあって、そこに○○県のブースとか△△農業法人のブースとかがあって、就農の相談ができたんです。そこで山梨県のブースに行ってみたら、研修先として小淵沢の有機農業をやっている農家さんを紹介してもらって、と、それからですね。

【松野】いろんなブースがある中で、山梨県を選んだのには理由があるんですか?

【伊藤】山が好きなんですよ。八ヶ岳とかって、素敵じゃないですか。それで山梨県か長野県のどっちかがいいなって思ったんですよね。

いちおう、東京からも近いし、夫婦とも実家が神奈川県なんで、山梨の方が近くて良いかな?とは考えてました。で、その就農フェアの日、長野県のブースは行列で順番待ち。隣の山梨県のブースに行ったら誰もいないんですよ(笑)
とりあえずこっち先にって話を聞いたら、いろいろ話を進めてくれたんで、もう決めました。

【松野】今は山梨県で新規就農する方は多いですけど、まだ当時は、そうでもなかったんですね。

【伊藤】でもこの辺は、清里とか、昔からけっこう開拓の人たちが入っていたり、避暑地として別荘が立ったりというのもあって、移住者を受け入れる土壌はありましたね。

【松野】そういう意味でも、すごい良いところに巡り会えたんですね。その後は?

【伊藤】試しに小淵沢の農家さんに何回か通ってみて、わかったのは、農業やっぱり面白いなって。もうこれは、やりたい!!!一刻も早くやりたいって思って。で、会社辞めて、その就農フェアから3ヶ月ほどで、引っ越してきました。

【松野】なにが、そんなに魅力だったんですか?

【伊藤】なんなんですかね(笑)
なんなんだろう。。。でもね、最初に小淵沢の農家さんに行ったときにお土産で野菜をもらったりして、それすごい嬉しくて、それでやっぱ旨いし、これはすごい!と思って、それはもう今でも覚えてますね。
それまでずっと自分に合った仕事が無いな、って悩んでいる期間が多かったんで、なんかピンときちゃって、なんか夢中になれるものを探していたのかもしれないですね。

「好き」と「勢い」で立ち上げた5年間

【松野】なるほどなるほど。最初はキツイとか、しんどいって思わなかったんですか?

【伊藤】体がキツイとか、そういうのはなかったですね。
ただやっぱり最初は売り先もないし、野菜ちゃんと育つかどうかもわからないし、そういう不安はものすごく大きくて、もうなんか毎日そわそわそわそわするような感じでいましたね。
もともと多少貯金はあったんですけど、トラクター買ったり、軽トラ買ったりとか、いろいろ道具揃えるのにだいたい使っちゃって、無くなっちゃっていましたし。
だから最初の年に作ったものを売っていかないと、もう日々の生活が成り立たないっていうのがあるので、毎日ドキドキしてました。ホントにもうドキドキドキドキ。

【松野】売り先とかも、最初はわかんないですよね。

【伊藤】そうそう、なんにもわかんないんですよ。
とりあえず出来たやつを軽トラに積んで、こっから一番近い都会って言うと、やっぱり八王子なんですよね。とりあえず自然食品店かな、と思って何軒か飛び込んでみました。
たまたま、まぁいいよって言ってくれて、それから毎週です。
そこ今でもお付き合いしていて、応援してあげるよっていうような感じで、ずーっと野菜取ってくれているんで、ホントにありがたいですよね。

【松野】すごいですね。最初のシーズン終わってみて、どうでした?これで食べていけそうな感じ?

【伊藤】いや、いけそうとは思わなかったですね、全然。
最初の年の売上がね、確か250万とかそのくらいだったんで。経費もちろんそっから差し引いて残るお金はもう殆ど無いじゃないですか。カツカツで。

軽トラで飛び込み営業は、けっこう行きましたよ。東京でレストランやってる友達に紹介してもらったり。あとは甲府のスーパーとか。
でも、営業の仕方とかも知らないんですよ。最初は電話して約束取り付けてから行ったほうがいいのか、それとも直接行っていいのか、それもわかんなかったですね。
でもとりあえず野菜持って直接行って、で、どうですか、、、て言って、「じゃぁいいよ」って言って甲府のスーパーとかは「明日300個持ってきてって言って」。

【松野】すごい(笑)

【伊藤】でももうすっごい嬉しいじゃないですか。んで、「じゃぁ、また明日も持ってきて。」ってみたいな。「もう明日はありません。」って。取り尽くしちゃいました(笑)

【松野】えー!ないの!?みたいな。

【伊藤】でも、そこのスーパーはだから今でも付き合いがあって、今でもたくさん取ってくれてスゴイ助かってますね。最初にそうやって自分で販路を開拓したところがずっと続いてるっていうのはうれしいですね。

【松野】断られたりしたこともありますか?

【伊藤】ありますね。売らなきゃ売らなきゃっていう気持ちがあるんで、もう片っ端からいろんなところに行くんですけど、何をどうやって売りたいのかっていうのをあんまり考えないで行くもんだから。「何が売りなんですか?」とかって聞かれると言葉に詰まって「じゃまた次の機会に…」みたいな感じで終わることもありました。

その経験があったから、どういうものを作ったら売れるのか、とか、どういう売り方したらいいのか、とか、だんだん考えて、自分のやり方みたいのを見出すようになりました。

おかげさまで、年々出荷先も増え、野菜も上手く作れるようになって、畑を貸してくれる人が増えてきました。続けていると、うちの畑も空いてるから使って、って声かけてくれるんですよね。ちょっとずつですけど、そういう感じで生産量が増えていきました。

【松野】何年目くらいですか?その「あれ、これイケるかもな」っていうか、「なんとか成り立つかな」っていうか。

【伊藤】ホントにこれでイケるって思ったのは、5年目くらいかな。
なんだかんだ言って、今は野菜を売った金だけでなんとか生活していってるんで、それはホントによくがんばったなって今でも思いますけど。でも最初は勢いだけですね。勢いだけ。

【松野】これはでも「好きが仕事」になったからですよね。じゃないと、初年度売上250万のところで心折れますよね。

オーガニック野菜の美味しさとは

【松野】農業やっていて良かったなって思うことは?

【伊藤】それはね、やっぱりね、自分たちで作った野菜を毎日たくさん食べられること。それは一番大きいですね。

【松野】いいですね。でも飽きるってことないですか?

【伊藤】無いですね!もう毎日美味しいね、美味しいね、って夫婦で言い合いながら(笑)

【松野】やっぱ美味いな!うちの野菜、みたいな(笑)

【伊藤】それはやっぱり、ね。こういろんなのを作るのも楽しいじゃない。食べるの好きだから。

【松野】去年と比べて今年良くなったなっていうのはありますか?

【伊藤】うーーーん、でもね、けっこうやっぱり天気に左右されちゃうんで。
どうしても、穏やかな天気が続いたときは作柄もいいし、でも大雨降ったりとか、すごい極端に乾燥したりすると良くない。
そればっかりは自分の力じゃどうしようもならないんで。だから栽培方法のこだわりとかって、あんまりなくて、自然に育ててもらってる、そのお手伝いをしているって思ってます。

鶏糞だけしか畑に入れていないし、それ以外のことはまったくやっていないんで。だから、できるだけシンプルに作ればもう十分美味しいものができるし。それで十分かなっていう。

【松野】伊藤さんのお野菜は、十分に美味しいです!

【伊藤】野菜の美味しさでいうと、品種による違いが一番大きいですよね。

【松野】種のカタログに、農林何号みたいな感じで書いてあるやつですね。

【伊藤】たぶん有機農家の人は、やっぱり美味しいのを作りたいって思ってるから、美味しい品種を選んで作ってると思います。だから美味しいんじゃないかな、たぶん。

【松野】作りやすい、じゃなくて、美味しい、ですね。

【伊藤】そうそう。で、慣行栽培(編者注:農薬や化学肥料を使う一般の農法)をやっている人たちは、やっぱり揃いの良さとか耐病性とかを重視して作るから、味は二の次になっちゃってます。
だから比べると有機のほうが美味しいよね、っていうことじゃないかなって思います。
栽培方法の違いっていうのは、そんなにわからないと思いますよ。

【松野】農家さんに聞くと、その品種を選んだ理由っていうのは、ちゃんとありますもんね。
あるニンジン農家さんでは、味はちょっと2番めなんだけど、病気に強い、っていうのを選んでて、ただニンジンが合ってる土地なので、それでも美味しく作れたんですね。
逆に味が1番と言われてる品種だと、甘すぎて自分は好きじゃなかった、とか、そういう好みもあったりして、いろいろお聞きすると面白いですよね。

【伊藤】作りやすさと味の両立ってやっぱりすごく難しくて、どっちを取るかどこで妥協するかっていうのは、いつも悩みます。
多くの種苗会社が、すごいたくさんの品種を作ってますし、全部が全部試せるわけじゃないから、結局いくつか選んで試して作っていいのを選んでるって言うだけなんですよね。

最近は、種苗会社も味重視の方向になってきたんですよね。
ちょっと前まではやっぱり揃いの良さとか、耐病性が重視されてましたけど。最近は、道の駅とか直売所とか増えてきて、揃いとか関係なくなって、美味しい方が売れるってなると、慣行栽培の人達も味重視の品種を作るようになってきてますね。
柔らかくて甘いっていう、そういう方向なんですよね。最近の品種は、一昔前よりも美味しい気がします。

【松野】そういえば、最近は、なんか甘けりゃいいみたいなところないですか?褒め言葉が甘い、柔らかい、癖がない、ばっかりで。セロリとか、ね、あの独特の臭みというか香りが本当は美味しかったのに、今なんかすごく食べやすい感じになっちゃって。

【伊藤】うん。最近そうですね。甘くて柔らかい。とにかく全部それですよね。スッキリしちゃって、香りもなんか薄くって。。。ニンジンもそうなんですよね。

【松野】フルーツ○○っていう売り方が増えましたよね。特にトマトなんか、甘けりゃいいっていうのも、ちょっと違う気がするんですが。

【伊藤】トマトって今すごいいろいろあるじゃないですか。糖度を高めるために、ハウスで水を極力あげずに栽培したやつとか。
うちのやつなんか、路地で作ってるし、天気に左右されるんです。雨が一回降るとちょっと水っぽくなっちゃったり、気温高過ぎるとちょっと味が抜けたりとか。

でも自然の中で作ると、それってしょうがないんですよね。
そういう天候によるバラつきとか、時期的にも、走りから、旬があって、終わりまでの味の違い、そういうのを全体で見てもらえればいいんですけど、一部だけとって美味しくないとかって言われるとちょっとガッカリっていうか。
でもそうは言ってもなかなかね、普通のお客様は、同じ産地の野菜をずっと食べ続けるわけにもいかないだろうし。

【松野】オーガニックで環境に配慮した作り方をすると、そういうものになるっていうのは、お客様に理解してもらえるように、私たちも努力しています。


取材日:2017/05/04

後編「有機農家としてやるべきこと」に続きます。

代表・松野が聴く!生産者・伊藤さん 後編 - 有機農家としてやるべきこと -
代表・松野が聴く!生産者・伊藤さん 後編 - 有機農家としてやるべきこと -
山梨県の有機農家・伊藤さんとの対談、後編です。 プロの農家に必要なこと、加工品や有機JASへの取り組みについて伺いました。 そしてオーガニック農家と飲食店の関係に話は広がります。

いとう農園・伊藤さんのお野菜は ビオシェルジュ で注文を承っております。(季節により、取り扱いがない場合もございます)
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おまけ 農園の様子

伊藤さんのご自宅は、雑木林に囲まれた静かな一軒家。お庭で鳥の声を聞きながら、ご家族と一緒にバーベキューをご馳走になりました。お肉もたくさんいただきましたが、何と言っても贅沢なのが、いとう農園の採れたて野菜たっぷりメニュー!美味しかったです。

  

その後は畑に移動して、野菜を見ながらお話を伺いました。
対談にも出てきたように、畑からは八ヶ岳と南アルプスが美しく見えます。うらやましい!

畑ではレタス類が、いよいよ出荷を待つばかり、という状態でした。
どれも葉っぱに張りがあり、瑞々しくて美味しそうです。

サニーレタス

リーフレタス

ロメインレタス

珍しい
赤ロメインレタス

夏野菜の苗作りも着々と進めていらっしゃいました。

キュウリ、カボチャ、ナス、インゲン、トマト、どれも楽しみです!


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おまけのおまけ

  

農園ねこさん。ネズミ捕り担当です。
とても人懐こくて、なでてあげると、ずっと甘えてきます。かわいすぎる。

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