蓮根(レンコン) – Veggiepedia

分類:スイレン科ハス属

名称:East Indian Lotusまたは Lotus root(英)、lotus(仏)、レンコン(日本)

レンコンはスイレン科ハス属で多年生の水生植物です。
ハスの根と書きますが、実際には蓮の地下茎の肥大化したものです。地下茎とは土の中に伸びる茎のことを意味します。根っこのように見えることから蓮根(蓮の根)と呼ばれています。

蓮根の旬は秋から冬の10~3月ですが、7月の下旬頃から新レンコンとして早堀りのものが出回ります。
新レンコンはアクがなくて柔らかくみずみずしさがあり、秋口から出回るレンコンはもっちりして粘りがあり甘味が強くなります。

主な生産地は茨城県で全国の出荷量の約50%強を占めており、続いては徳島県の約12%、佐賀県の約7%です。
その他、ブランドレンコンとして石川県の「加賀レンコン」、新潟県の「大口レンコン」、山口県の「岩国レンコン」などがあります。

レンコンがお正月料理やお祝いの席の料理でよく使用されるのは、穴が空いていて向こう側がよく見えることから「先を見通せる」という縁起担ぎの意味があるからです。

歴史

レンコンの歴史はエジプト原産地説、中国原産地説、インド原産地説など諸説ありますが、もともとは観賞用とされていたようです。
日本でも約2,000年前の弥生時代頃には大賀ハス(現在の千葉県千葉市で発見)や行田ハス(埼玉県行田市で発見)がすでに存在していたと言われています。

食用としては、奈良~鎌倉時代頃に中国から伝わって日本の各地に広まったと言われています。

種類

現在市場に出荷されているレンコンは、大きく分けて「中国種」と「在来種」の2種類があります。
中国種は現在市場に出回っているもので、明治時代初期に中国から入ってきたものを品種改良されたものです。
在来種は江戸時代より前に日本に入ってきたものですが、栽培に手間がかかるため現在はあまり流通されていません。

中国種

備中

明治初期の時代に中国から長崎に入り、岡山が基点となったことから備中種と呼ばれ、ここから各地に広まったといわれています。現在は徳島など関西を中心に栽培されています。
収穫時期が10月から5月までの晩生品種で台風の影響を受けやすいのが欠点ですが、品質が良いことから市場での評価も高く、現在流通しているレンコンの大半を占めています。

レンコン部分の一節一節が長くピンク色の花が咲きます。形状は長めで大きめの楕円形で、肉厚です。食感はもちもちしていて柔らかく、歯ざわりが良いのが特長です。
甘味強いので、すり下ろして団子にしたり、煮物や焼き物が美味しいです。

ロータス(ロータスホワイト)

岡山県から愛知県に入ってきたレンコンで岩国系レンコンから選抜された早生品種です。
収穫時期は8月中下旬から9月下旬。病気に強いタイプで白い花が咲きます。
一つ一つの節は備中より短めで肉質は硬くしっかりしており、日持ちもします。

シャキシャキした食感が強いため、さっと茹でてサラダにしたり和え物に向いています。
アクが少ないため、新鮮なうちは生のままでも美味しくいただけます。

オオジロ

通常は11~13節目から太くなりレンコンが出来るのに対しオオジロは4節目から太くなることから早くから収穫が可能です。このため、極早生品種といわれます。

ハウス栽培とトンネル栽培があり、ハウス栽培は6月上旬から、トンネル栽培でも7月下旬には収穫可能です。
備中に比べ耐病性が強く、白い花が咲きます。色は真っ白で、太くて丸みがあり、肉厚で穴が小さいのが特徴です。

新物特有のシャキシャキした食感があり、アクが少ないため生食でも美味しくいただけます。またサッと湯通ししてサラダにしたり酢レンコンなどにも向いています。

金澄

千葉県のレンコン生産者である金坂氏が育成した品種で、中国種と在来種(天王)のレンコンを交配させたものです。
金澄系は1985年に金澄1号が登場して以来、数々の品種が生まれ、栽培しやすく病気に強く収量も多いことから、茨城県や千葉県を中心に全国的に普及しています。
現在その中でも関東地方、特に茨城県の主要品種として栽培されているものが金澄20号です。

レンコンの収穫時期は9~11月頃でやや早めです。
形は太く短く、色が白いのが特徴です。金澄系のレンコンの食感は比較的シャキシャキしています。

支那白花

支那白花種は、石川県や山口県で栽培されているレンコンの品種です。
石川県で栽培されたレンコンは「加賀れんこん」、山口県で栽培されたレンコンは「岩国レンコン」と呼ばれています。

加賀れんこん

石川県金沢市の伝統野菜である加賀野菜の一つです。
加賀の五代藩主である前田綱紀が苗を植えたのが始まりと言われています。当時は観賞用や薬用として栽培されていましたが、明治時代以降に食用として栽培されるようになり、さまざまな品種が導入され、改良が繰り返されて現在の支那白花品種となりました。

8月下旬~翌年5月中旬まで出荷されています。形状は太くて一節一節が短く、肉厚です。

他のレンコンと比べて穴が小さくて、その分身がしまっています。
またでんぷん質が多いため粘りが非常に強く部位によってモッチリした食感とシャキシャキした食感とを持ち合わせています。

1節目は接もが少なく柔らかいのでそのままサッと湯通ししてサラダや和え物に、2~3節目はキンピラなどの炒め物や煮物、天ぷらに、4節目は繊維質やデンプンが多いのですりおろして蒸し煮にするなどといった料理に向いています。
レンコンをすり下ろしてエビや鰻などといった具材を混ぜて蒸し上げるという加賀の郷土料理「はす蒸し」でも使用されています。

岩国れんこん

江戸時代に岩国市の篤農家の村本氏が備中種を持ち帰って育てたのが始まりと言われています。その後品種改良が繰り返されて現在に至っています。

通常レンコンの穴の数は8個が主流ですが、岩国レンコンは9個あり、当時の岩国藩主吉川家の家紋である九曜の紋に似ていることからたいそう喜ばれたと言われています。
また葉は蓮の中でもかなり大きいため、乾燥させて包装紙代わりとして重宝されて痛そうです。
岩国の郷土料理「岩国寿司」にもこの蓮の葉が用いられています。

岩国レンコンは9~翌年5月上旬に収穫される晩生品種で、形状は太めの大型で肉厚で、外皮は白めで斑点が少ないためきれいな肌をしています。
また肉質は柔らかくて歯切れもよいため、輪切りにするとシャキシャキした食感が楽しめます。
また切ると腰のある粘りがあるため糸を引くことから、縦切りにしたりすりおろしたりするともっちりした食感が味わえます。
このため、和え物や煮物、焼き物や揚げ物などさまざまな料理に使用されています。

だるまれんこん(大口れんこん)

新潟県長岡市大口地区で栽培されているレンコンで、長岡の伝統野菜として指定されています。
10~3月に出荷される晩生品種です。
一節一節が丸くコロコロしていることから「だるまレンコン」と呼ばれています。
また大口地区で栽培されているレンコンなので「大口レンコン」とも呼ばれています。

栽培の始まりは大正12年ごろで、稲作に不向きだった土壌に適した作物としてレンコンが採用されたのがきっかけです。

肉厚で切り口が真っ白で、他のレンコンと異なり、火を通しても黒く変色しないのが特徴です。シャキシャキした食感があり、先端部分は特に柔らか。
また煮崩れしにくいことからキンピラなどの炒め物から揚げ物、煮物などさまざまな料理に向いています。
新潟の伝統料理であるのっぺい汁でも使用されています。

白石レンコン

白石レンコンは、佐賀県白石町で栽培されるレンコンです。
生産地が白石町なのでそこで栽培されるレンコンを総称して「白石(しろいし)レンコン」と呼ばれています。

栽培されている品種はさまざまで金澄が最も多く、その他岩国や成蹊、榎本など12~13種ほどです。
7~9月に収穫される早生のレンコンはシャキシャキした食感が、10月以降に収穫はホクホクでもっちりした食感が楽しめます。

また、白石レンコンの特徴は泥付きで出荷されること。
水分や養分を含んだきめ細かな土をまとったまま出荷することで日持ちも良くなり、収穫したてに近い鮮度が保たれた状態で関東や関西地方へ届けられています。

在来種

色はわずかに茶色っぽい色で細長い形をしています。
中国種のレンコンに比べて粘りが強く切ると糸を引きます。
味は濃くて肉質は柔らかいのが特徴です。
品種としては「天王」や「上総」があります。

レンコンあれこれ

関東 vs. 関西

レンコンは、関東ではレンコン、関西ではハスと呼ばれます。

さらに、関東と関西では食感好みにも違いがあり、関東ではシャキシャキした歯切れのいい食感が、関西ではホクホクねっとりした芋のような食感が好まれます。
このため一般的に関東では金澄系の丸くて太いものが、関西は備中系の細くて長いものが多く出回っています。

レンコンの穴

レンコンの穴は、レンコンが呼吸するための空気の通り道です。
レンコンは水の中で育ちます。水底の泥の中に含まれる酸素の量が少ないため、葉から地下茎やレンコンである地下肥大茎に水の外から空気を送る必要があります。
その空気の通り道(通気孔)として穴が空いています。

穴の数は、レンコンの太さや大きさに変わらず基本的に同じで、真ん中に1個、周りの穴は子レンコンで7~9個、親レンコンで9個です。

レンコンの部位

レンコンの部位によって食感が異なります。
このため、使用する場所に合わせて使い分けて調理したほうがより美味しさを味わえます。

レンコンはお尻の部分の方が先に生えてきた部分なので水分がすくなく繊維質も多くなるために硬く、後から生えてくる先端部分の方(芽がついている方)が、水分が多くて柔らかく、シャキシャキ感があります。

このため、一節目の柔らかい先端部分は、シャキシャキ感を楽しむために酢の物やサラダに、真ん中の2節目~3節目あたりは甘味を楽しむために煮物や天ぷらなどに、お尻の硬めの節の部分は粘度がありもっちりしているので刻んだりすり下ろして使う料理に使用するのがおすすめです。