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キャベツ – Veggiepedia

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キャベツ – Veggiepedia

キャベツ – Veggiepedia

分類:アブラナ科アブラナ属

名称:cabbage(英)、chou(仏)、 甘藍(かんらん)(日本)

生でも煮ても焼いても炒めても美味しいキャベツ。日本での正式な名称は甘藍(かんらん)といいます。
キャベツはアブラナ科アブラナ属で本来の植物としては多年草ですが、野菜としては一年草または二年草とされています。
その祖先は青汁などで知られている「ケール」。これが長い年月をかけて品種改良され、現在の結球する形になりました。
他に同じケールを元祖としたアブラナ科アブラナ属の野菜には、カリフラワー、ブロッコリー、芽キャベツ、コールラビ、など似ても似つかない多くの野菜が存在しています。

キャベツは一年中出回っていて、特定の旬の時期というものがありません。どちらかというと一年中旬と言っても過言ではありません。
その理由は、春に収穫されるもの、夏に収穫されるもの、冬に収穫されるもの、という具合に多くの品種が存在しており、また、日本全国さまざまな地域で栽培されていてその場所によって出荷時期が異なることによります。
主な産地は、春キャベツは千葉県、神奈川県、茨城県など、夏秋キャベツは群馬県嬬恋村、長野県、北海道、冬キャベツは愛知県などとなっています。

歴史

キャベツの歴史は、スペイン近辺のイベリア人が自生していたものを薬用として利用していたのが始まりです。
その後、ケルト人によって地中海沿岸、主にイタリアやギリシャ辺りで栽培されるようになりました。時代的には古代ローマ、古代ギリシャの頃。当時は主に酒の酔い冷ましや胃腸と整えるための薬として利用されていたという記録があります。食用として栽培されるようになったのは9世紀頃からといわれています。
その頃のキャベツは結球していないタイプだったそうで、結球したタイプは12、13世紀頃から登場し、品種改良を重ねて現在のような形状になったようです。

葉牡丹

日本へは江戸時代に観賞用として伝わったとされていますが、当時のキャベツはキャベツではなくケールだったと考えられており、それを改良されたものが現在の葉牡丹なのだそうです。
食用として普及したのは明治に入ってからですが、和食中心の日本人にはあまり馴染みがなく、主に日本に滞在している外国人向けや外国船内での食料として利用されるために栽培されていました。
日本人に一般的に広まったのは戦後からで食生活の欧米化がきっかけで、現在では大根に次ぐ主要な野菜として栽培されています。

種類

季節に合わせた品種が栽培されており、一年中出回っています。
一般的なキャベツは、主に春を中心に出荷される春キャベツ、高原などの冷涼地で栽培される夏秋キャベツ、冬の寒い時期に出荷される冬キャベツなどに分けられます。
その他、変わった品種の芽キャベツやサボイキャベツなどもあります。

寒玉キャベツ(冬系キャベツ、冬キャベツ)

通常キャベツというとこのキャベツのことで、夏に種をまき1~3月頃の冬の時期に収穫される品種です。
しっかり締まった球形で、葉は固めで白く、形は扁平です。
日持ちがよく、寒さによって甘味が増すため春キャベツより糖度が高いのが特徴です。
葉が固くしっかりしていることから煮崩れしにくいため、ロールキャベツなどの煮込み料理に適しています。
火を通すことでさらに甘味や風味が増すため、炒め物にも向いています。

春玉キャベツ(春系キャベツ、春キャベツ)

秋に種をまき、2月下旬から6月頃の春から初夏にかけて収穫される品種のキャベツです。
球の巻き方が緩めでふわっと柔らかくみずみずしいのが特徴です。
葉の色は中まで黄緑色をしています。食感がシャキシャキとして軽いため、サラダなど生のまま食べるのがオススメです。
ほんのりと優しい甘みがあるため、蒸したり軽く炒めたりしても美味しいです。ただし、葉が柔らかく火の通りが早いため短時間で仕上げたほうがいいでしょう。

高原キャベツ(夏キャベツ、夏秋キャベツ)

春から初夏の頃に種をまき、7~10月頃の夏から秋にかけて収穫される品種のキャベツです。主に群馬県の嬬恋村や長野県の八ヶ岳山麓といった高原地で栽培されていることから「高原キャベツ」と呼ばれています。
実際には寒玉キャベツを改良した品種で、寒玉キャベツと春玉キャベツの両方の特徴を持ち合わせており、珠がよく締まっているのですが葉は柔らかでみずみずしく、中まで黄緑色をしているのが特徴です。
シャキシャキした食感があるため生食に向いていますが、火を通しても型崩れしないため、煮物や炒め物にも適しています。

グリーンボール(丸玉キャベツ)

名前のとおり色鮮やかな緑色をしたキャベツです。また丸い形状から、丸玉キャベツとも呼ばれています。
葉はしっかりしていて肉厚なのに柔らかくて甘味があるのが特徴です。
寒さに弱いので、西日本では通年出回っていますが東日本で出回るのは春から秋にかけてのみです。また流通量は通常のキャベツより少なめです。
栄養価的には通常のキャベツよりも高く、カロテンはキャベツの2倍あります。
葉が柔らかいので生のサラダやスープなどに適しています。

レッドキャベツ(紫キャベツ)

葉の表面が鮮やかな紫色をしていて、茎や葉の中は真っ白なので切ったときの色のコントラストがとても美しいキャベツです。赤キャベツとも呼ばれています。
春蒔きと秋蒔きがあり、産地をリレーして通年出回っています。
アブラナ科のレッドキャベツに似たタイプとしてトレビスがありますが、そちらはレタスと同じキク科でこのレッドキャベツとはまったくの別物です。
紫色のもととなるアントシアニンは水に溶けやすいため、煮物などではなくサラダやピクルスなどがオススメです。
火を通す場合は、鮮やかな色を残すために軽くサッと炒める程度がいいでしょう。

サボイキャベツ(ちりめんキャベツ)

サボイキャベツは、フランスのサヴォワ(サボイ)地方が原産とされるキャベツで、現在はフランス、イタリアを始めとするヨーロッパ各地で一般的に使用されています。日本では、葉の表面がちりめん状に縮れていることから「ちりめんキャベツ」とも呼ばれています。
旬は冬の寒い時期で主に11~3月頃に市場に出回ります。
日持ちはいいのですが、水分が少ない上に繊維が多くて固いため、生食には向いていません。加熱することでとても甘味が増し、またしっかり煮込んでも煮崩れしないのでロールキャベツやスープなどといった煮込み料理に向いています。
炒める場合は、先に軽く湯通ししてから使用した方が使いやすく食感も良くなります。

芽キャベツ


別名子持ちかんらん、または姫かんらん。英語名ブラッスルスプラウト。
通常のキャベツと同じアブラナ科ですが品種は別物です。見た目はキャベツをそのまま小さくしたような形をしていますが、通常のキャベツは土の上で葉を巻いて球状になるのに対し、芽キャベツは茎の付け根につく小さな球形の脇芽で、一つの株から複数の脇芽が実ります。

旬は冬で、11~3月頃市場に出回ります。栄養価が非常に高く、抗酸化作用の高いルテインが多く含まれており、またビタミンCやビタミンKは通常のキャベツの数倍もあります。
巻きが固く苦味やアクがあるため下茹でしてから調理します。
シチューやポトフなどの煮物、バターソテーなどの炒め物などがオススメです。

プチヴェール

プチヴェールは、ケールと芽キャベツを交配して出来た日本生まれの新種の野菜です。フランス語の小さいという意味であるプチ(Petit)と、緑という意味のヴェール(Vert)を合わせて「プチヴェール」と名付けられました。
育ち方は芽キャベツと同じように茎の脇に実がつきますが、結球する芽キャベツに対しプチヴェールは非結球で、緑色の小さなバラのような形状です。
旬は芽キャベツとほぼ同じで11~3月頃まで。
ケールと芽キャベツの良いところを受け継いでいるため、栄養価も非常に高いのも特徴の一つです。
さっと湯がいてから和えたりサラダにしたりなどがオススメです。

みさき

先端が尖ったタケノコのような形に結球するキャベツです。主な品種としては「みさき」の他に「とんがりぼうし」というものもあります。
甘みが強く、葉はやや厚めで柔らかいため生食でも食べやすいタイプです。
春蒔きや夏蒔きがあり、夏から秋にかけて収穫されます。
そのまま刻んでサラダがおすすめですが、焼いたり軽く炒めたりしても甘味が増して美味しいです。

カーボロネロ


結球しない葉キャベツの一種でケールの仲間。イタリアのトスカーナ地方が原産とされています。
色が濃緑色なことから日本では「黒キャベツ」とも呼ばれています。
葉はちぢれてしっかりとした繊維があり固いのが特徴です。

旬は11~3月頃。
ビタミンやミネラルが豊富で、通常のキャベツより全体的に栄養価が高めです。寒さが強いほど葉のおうとつが強くなりますが、その分甘味も多くなります。
煮物やスープなど、煮込む料理に向いています。またオリーブオイルとの相性もよいため、炒め物にしても美味しいです。


栄養・食養

栄養

「キャベジン」との別名を持つビタミンU

ビタミンUはキャベツの絞り汁から発見された栄養素で別の名は「キャベジン」。これは市販の胃腸薬でも使用されているように、主な働きは胃の粘膜の保護や修復、また胃酸の分泌の抑制などです。このため、胃痛を軽減したり、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を予防する作用があります。なおビタミンUのUは、潰瘍を意味する英語「Ulcer」という頭文字からきています。

ビタミンUは水溶性のため水に溶けやすく熱で壊れやすい性質であるため、効率よく摂取するためには手早く洗って生のままサラダなどで。または、酸には強いため酢漬けにするのもオススメです。

「止血のビタミン」ビタミンK

ビタミンKは、ドイツ語の「凝固」を意味する「Koagulation」の頭文字をとって名付けられたビタミンの一種です。名前の由来からわかるように、主な働きの一つとして怪我などによる出血、または内出血などをした時に血液を凝固させる作用があることから「止血のビタミン」ともいわれています。また、骨にカルシウムが沈着するのを助けたり、骨からカルシウムが流出するのを防いだり、と骨にかかわる働きもあることから骨粗鬆症の薬にも使用されています。

脂溶性のビタミンのため、油と一緒に摂取すると吸収率がアップします。また熱に強いことから、油で炒めたり揚げ物などがオススメです。

疲労回復ビタミンのビタミンC

ビタミンCの効果はたくさんありますが、その代表的なものが疲労回復作用やストレス抑制作用、そして美肌作用です。ビタミンCの性質は水溶性なので、水に溶けやすく熱に弱いのが特徴です。

このため、出来る限り火を入れず、長時間水に漬け込まず、できれば生で食すのがオススメです。生でたくさん摂取するには、酢漬けなどにするといいですね。

抗酸化作用の高いイソチオシアネート

イソチオシアネートは辛味成分の一種で、ワサビや大根などに多く含まれていますが、実はあまり辛味を感じることないキャベツやブロッコリー、カリフラワー、白菜などといったアブラナ科の植物全般に含まれている成分です。切ったりすり下ろしたりして細胞が破壊されるときに生成され、非常に高い抗酸化作用があります。1990年代にアメリカの国立がん研究所(NCI)で実施されたデザイナーフーズ計画(Designer Foods Project)では、がん予防に効果があると考えられる野菜として、キャベツが上位にリストアップされました。

熱に弱く、また細胞が壊れるときに生成されるので、効果的に摂取するには、生のままよく咀嚼することがオススメです。

外用としての利用法

熱冷ましに

キャベツには解熱作用があるので、熱があるときにキャベツの葉を額に乗せると効果があります。

やけどに

キャベツには鎮静効果があるので、軽度のやけど(皮膚が赤くなりヒリヒリする程度)では、手で葉をよくもんで患部に貼る利用方法があります。

重度のやけど(水ぶくれがある、皮がめくれている、患部が白い/黒い、痛みの感覚がなくなる、など)では、患部の細菌感染防止が第一です。
何も塗ったり貼ったりせずに、ただちに医療機関で受診してください。

キャベツあれこれ

キャベツの名前の由来とシュークリーム

キャベツの名前の由来は、英語名「cabbage(キャベッジ)」から来ています。そしてそのcabbageのもとはフランス語の「caboche(カボッシュ)」。これは頭でっかちという意味なのだそうです。

そして、キャベツで名前といえばもう1つ。

美味しいスィーツのシュークリーム。フランス語では「シュー・ア・ラ・クレーム」といいます。「シュー」とはフランス語でいうところの「キャベツ」。直訳すると「クリームの入ったキャベツ」という意味なのだそうです。理由は見た目がキャベツに似ていたから、とか。そしてその名前から「ア・ラ」がなくなり、シュー・クレームが変化してシュークリームになりました。

なぜ玉になる?

もともとのキャベツは結球しないものでした。それが現在のような結球するようになったのは、長い年月をかけて改良されたことによります。では、どうして玉になるのでしょうか?それにはオーキシンというホルモンの働きが関係しています。

芽を出したキャベツの最初の20枚くらいまでの葉は曲がらずに普通にひらいていきます。そのあとに

新しく出て来る葉は内側に丸まったような感じで曲がって育ちます。続いてまた内側から新しい芽が外葉を押しやるような形で出てきて成長していきます。これが繰り返されることでどんどん玉になっていくのです。

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