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レタス – Veggiepedia

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レタス – Veggiepedia

レタス – Veggiepedia

分類:キク科アキノノゲシ属

名称:Lettuce(英)、Laitue(仏)、 レタス・萵苣(ちしゃ)(日本)

「サラダと言えばレタス、レタスと言えばサラダ。」というほど生野菜の代表的な存在のレタス。キク科アキノノゲシ属の一年草または二年草です。種類がとても豊富で、日本で一般的にレタスと呼ばれている玉レタスをはじめ、最近サラダでよく利用されているグリーンリーフレタス、サニーレタスやロメインレタス、焼肉でおなじみのサンチュなどがあります。それぞれの種類ごとに栄養価も異なり、玉レタスなどは淡色野菜として、リーフレタスなどは緑黄色野菜として分類されています。

いずれの種類のレタスも暑さが苦手で冷涼な気候を好むため、日本の各地域の気候に合わせてリレー式に栽培・収穫され、一年を通して市場に出回っています。主な産地は長野県、茨城県、群馬県。時期的にみると春先の3~5月頃と秋の10~12月頃は茨城県辺りから、夏から秋にかけての5~10月頃は長野県や群馬県辺りから、秋から冬、春先までの 10~5月頃は香川県や兵庫県などの比較的暖かい地域から、と時期が途切れることなく出荷されています。

レタスは金属を嫌うため包丁などで切ると切り口が酸化して変色してしまいます。使用するときは手で葉をはがすことをお勧めします。

レタスの保存方法でよく耳にするのが芯の部分を抜き取って濡らしたキッチンペーパーを入れるという方法ですが、切り口からビタミンなどの栄養が失われがちです。なので、濡らしたキッチンペーパーを芯の部分につけてから新聞紙などで包み、袋に入れて保存すると長持ちします。さらに芯の部分に爪楊枝を刺しておくとレタスの成長を遅らせることができるため長持ちします。

歴史

レタスの歴史は古く、野生種は西アジアから地中海沿岸にかけて分布されていたと言われています。栽培は紀元前6世紀頃からアケメネス朝ペルシアで始められたと伝えられています。この頃のレタスは結球していないタイプの葉レタスだったそうです。その後ヨーロッパ各地に伝わり、品種改良が繰り返され、玉レタスなどの結球するタイプやリーフレタスやロメインレタスなどの結球しないタイプなど多種多様なレタスが生まれました。

日本へ伝わったのもかなり古く、奈良時代にはすでに中国から「チシャ」として渡って来たそうです。この頃のレタスは非結球の「掻きチシャ」いわゆる「サンチュ」で、生食ではなくお浸しや味噌汁の具として食されることが主流でした。現在一般的に出回っている玉レタスは、江戸時代末期から明治時代にアメリカから伝わり、さらにサラダの代表的存在として生食されるようになったのは第二次世界大戦以降になります。

種類

レタスにはいくつかの仲間があることから種類がとても豊富。その仲間は大きく4つに分類されます。

  • 玉チシャ
    しっかり結球するタイプとゆるく結球するタイプの2種類があります。この種には現在一般的にレタスと言われる玉レタスやサラダ菜があります。
  • 葉チシャ
    非結球のタイプです。グリーンリーフレタス、サニーレタス、プリーツレタス、オークリーフレタス、フリルレタス、グリーンカール、シルクレタス、ピンクローサ、ブーケレタスなど非常に様々な種類があります。
  • 立ちチシャ
    葉が巻かれずに立っているタイプです。ロメインレタス(コスレタス)がこちらに分類されます。
  • 掻きチシャ、茎チシャ
    茎から葉を掻き取るタイプ。サンチュ(サンチュは韓国名であり、和名は包菜)、ステムレタス(ちしゃとう)などがあります。
  • その他
    レタスではないのですが、近い種類としてエンダイブやチコリがあります。

玉チシャ

玉レタス

玉チシャの代表。日本で一般的にレタスといえばこの玉レタスを指します。しっかり結球するタイプのレタスでパリパリっとした歯触りの良い食感があることから「クリスプヘッド型」や「クリスプヘッドレタス」とも呼ばれています。またキャベツのような形状から「キャベツレタス」と呼ばれることもあります。

玉レタスは成長につれて葉が10枚以上になってから結球していき、球の大きさはだいたい直径10~20cmほどになります。葉に張りがあり巻きがふんわりとして大きさの割に軽めの方が甘味があって美味しいです。

玉レタスは、生のままサラダで食べる他、様々な調理に向いています。ロールキャベツならぬロールレタスとして肉などを巻いて煮込んだり、チャーハンの具や野菜炒めのキャベツの代わりとして炒めたり、また、スープにしても美味しいです。さらに、しゃぶしゃぶとしてお湯にさっとくぐらせてもシャキシャキした食感が楽しめて美味しくいただけます。

サラダ菜

こちらも玉チシャのひとつです。ゆるく結球するタイプのレタスで、バターを塗ったような光沢と、葉が柔らかくて食べると口の中で溶けるような感触であることから「バターヘッド型」または「バターヘッドレタス」とも呼ばれています。玉レタスと比べて葉の色が濃い緑色をしていて、葉肉は厚みがあるのに柔らかいのが特徴です。

サラダ菜という名の通り生のままサラダで食べるのが美味しいのですが、そのほかに焼いた肉や野菜、ご飯などを巻いて食べたり、さっと軽くゆでてお浸しにしても美味しいです。また、色味が濃いため、湯通ししたものをフードプロセッサーなどで攪拌してソースやドレッシングとして使うことにも向いています。

葉チシャ

レタスの中でも一番種類の多いタイプです。いずれも生のままサラダとしていただくのが一般的です。

グリーンリーフレタス(リーフレタス)

全体的に鮮やかな緑色をしているレタスです。葉先がひらひらと細くカール状になっていることから「グリンカ―ルレタス」とも呼ばれています。癖がないため、サラダの他に肉や御飯を巻いたり、スープの具としても美味しくいただけます。

サニーレタス

グリーンリーフレタスに似ていますが、葉先が赤紫色しているレタスです。この色はアントシアニンによるもの。「アカチリメンチシャ」とも呼ばれています。


フリルレタス

グリーンリーフレタスの一種で、葉先がギザギザしているのが特徴のレタスです。葉はやや肉厚で食感は玉レタスのようにシャキシャキしています。全体が緑色のタイプとサニーレタスのように葉先が赤紫色をしたタイプとがあります。

オークリーフレタス

レタスの原型に近いとされるリーフレタスで、樫(オーク)の葉型のような切れ込みがあることからオークリーフと命名されました。葉は柔らかくて甘味とほのかな苦味があります。全体が緑色のタイプとサニーレタスのように葉先が赤紫色をしたタイプとがあります。

シルクレタス

サニーレタスとエンダイブとを交配させて作られた品種のレタスです。食感は玉レタス、色合いはサニーレタス、葉の形状はフリルレタス、といった特徴があります。「ピンクロッサ」または「ピンクロースター」とも呼ばれています。

ブーケレタス

千葉県にある会社が品種改良を重ねたことで生まれた水耕栽培のレタスです。葉が結婚式に花嫁が手にするブーケのような形状をしていることから「ブーケレタス」と命名されました。明るめな薄緑色をしていて、葉先は丸みのある切れ込みがあり、ふんわりと柔らかな食感と味にクセが少なく優しい風味が特徴です。また、他のレタスに比べて5倍ものβカロテンが含まれているのも特徴の1つです。

立ちチシャ

ロメインレタス

シーザーサラダで有名なレタス。縦に長く緩めに結球しますが、葉先は閉じないタイプのレタスです。縮れのない白菜のような形状をしています。エーゲ海のコス島が原産とされていることから「ロメイン(ローマという意味)」または「コスレタス」と命名されています。

肉厚でしっかりしていることから、生のままサラダでいただく他に、炒めたりおひたしにしても美味しくいただけます。

掻きチシャ、茎チシャ

サンチュ(掻きチシャ)

掻きチシャとはカッティングレタスを意味しており、株の成長と共に葉だけを外側から掻きむしるように収穫することから「掻きチシャ」と呼ばれています。日本では「サンチュ」として知られているレタスで、分類的にはリーフレタスの仲間です。韓国料理で有名なレタスですが、実は奈良時代にすでに日本へ渡来しており、レタスの中で日本においてもっとも古くから食されてきたものです。当時は生食ではなく、お浸しなどにして食べていたと言われています。その後、終戦を機に玉レタスが日本で普及したことからしばらく食卓から消えていましたが、焼肉ブームをきっかけとしてまた一般的に食されるようになりました。現在では焼肉などを包んで食べることから「包み菜」とも呼ばれています。

なお、茎の部分は後述するステムレタス(茎レタス)として食されます。

ステムレタス(茎レタス)

中国が原産のレタスで、主に茎の部分を食用とすることから「茎レタス」といいます。また「ちしゃとう」「セルタス」などとも呼ばれています。サンチュ(掻きチシャ)の茎の部分が直径だいたい3㎝ほどになり、長さが40~50㎝ほどになった時点で食されます。茎の皮が非常に硬いため、表面の皮をむいて食します。生のままサラダやナムルのような和え物にして食べる他、炒めたり揚げたりしても美味しくいただけます。

ほんのり苦味があり、アスパラガスのような味に似ていることから「アスパラガスレタス」と呼ぶこともあります。

なかなか見かけないレタスのようですが、実は日本でお漬物としておなじみの山クラゲは、このステムレタスを棒状に切ってから干して乾燥させ、醤油などに漬け込んだものです。

その他

エンダイブ

和名は「キクチシャ」または「ニガチシャ」と呼ばれ、見た目はリーフレタスやフリルレタスに似ています。上記で紹介したレタス類と同じキク科ですが、実際はレタスとは異なり、キクニガナ属に属する一年または二年草でチコリの仲間です。日本では主に長野県や岡山県などで生産されています。

シャキシャキした食感で、味は和名が表すように独特の苦味があります。若いうちはほろ苦い程度ですが成長するにつれ苦味が強くなるため、ある程度大きく成長したら内側に日光が当たらないように布をかぶせたり外葉を寄せて葉を縛ったりして栽培します。

生のままサラダに使われることも多いですが、加熱することで苦味が抑えられるため、ソテーや揚げ物、スープなどにすると美味しくいただけます。

なお、ややっこしいのが英語名とフランス語名。英語名は「Endive(エンダイブ)」ですがフランス語名は「Chicoree(チコレ)」。それに対し、日本でチコリとして知られている野菜の英語名は「Chicory(チコリー)」ですがフランス語名は「Endive(アンディーブ)」と英語名とフランス語名がそれぞれ入れ替わっています。

チコリ

和名は「キクニガナ」と呼ばれるキク科キクニガナ属の多年草です。日本での栽培は少なく北海道などで少々生産されているくらいなので、主に出回っているものはオランダやベルギーで栽培されたものが多いです。本来は非常に強い苦味があるので、食用のチコリは日光に当てずに栽培することで苦味を抑えて食べやすいようにしています。

先端が淡い黄緑色でその他の部分は真っ白い色をしています。舟形の可愛らしい形状をしているのが特徴です。主に葉をはがしてそのままサラダとして食すことが多いですが、蒸したり炒めたりしても美味しいです。

チコリはデトックス効果が高い事から、葉以外にも根の部分を乾燥させて粉末にしたものを煎ってコーヒーの代わりに飲料用として飲まれています

栄養・食養

レタスは全体の約95%が水分なので非常に低カロリーな野菜です。この水分の多さがあってこそレタスのシャキシャキ食感が味わえるのです。栄養がほとんどないと思われるレタスですが、残りの5% には様々なミネラルやビタミン、食物繊維などの栄養素がバランスよく含まれています。

レタスは多種多様な種類があり、それぞれの種類によって含まれる栄養素にも違いがあります。

栄養

造血のビタミン「葉酸」

妊婦さんに欠かせない栄養素として注目されている成分。水溶性のビタミンB群の一種でビタミンB12と同様に赤血球を生産するために不可欠な栄養素であることから「造血のビタミン」と呼ばれています。

また代謝にも深く関わりがあり、DNAやRNAといった核酸やタンパク質の合成を促進し、細胞の生産・再生を助ける働きがあることから、身体の発育にも大切な栄養素です。

不足すると造血機能が異常をきたすことから貧血や動脈硬化、神経障害や腸の機能の障害、また、胎児の神経管閉鎖障害や無脳症などを引き起こす可能性があります。

主にホウレンソウやブロッコリー、アスパラガスなどの緑黄色野菜や、枝豆などの豆類、レバー、イチゴやアボカドなどの果物などに多く含まれています。レタスの中で含有量が特に多いのは、リーフレタス、サニーレタス、サンチュ、ロメインレタスです。

水溶性のビタミンなので、過剰に摂取しても尿から排出されるため問題ありませんが、アルコールの過剰飲酒や、アスピリンや避妊薬のピルを常飲する人は葉酸が欠乏しやすいので注意する必要があります。

止血のビタミン「ビタミンK」

脂溶性ビタミンの一種であるビタミンK。血液の凝固に深い関りがあります。ケガなどで出血した時や内出血をした時などに血液を固めて出血を止める作用をするために必要であることから、「止血のビタミン」と呼ばれています。

また、骨を強くする働きもあるので、丈夫な骨を生成するためにはビタミンDと共に欠かせないビタミンです。

このビタミンKは、食物から摂取する以外に腸内細菌からも生成されるため、通常の食生活を送っていれば不足や過剰摂取になることはありません。

ビタミンKが多く含まれる食材は、納豆などの発酵食品や緑黄色野菜です。

脂溶性のビタミンのため、油と一緒に摂取すると吸収率がアップします。また熱に強いことから、揚げ物や油炒めなどがオススメです。

なおビタミンKは、ワーファリン(血液を凝固させないようにする薬)の効果を弱める作用があるため、ワーファリンを服用されている方はビタミンKを多く含む食品は控えた方がよいでしょう。

レタスあれこれ

レタスを切った時に出てくる白い液体って?

新鮮なレタスの茎を切ると断面から白い液体が出てきます。これはサポニン様物質の1つである「ラクチュコピクリン」というポリフェノールの一種です。苦味の元となる成分でレタスが鳥や害虫から身を守るために備わっているものです。鎮静作用や鎮痛作用があるということから、以前はレタスを粉末にして鎮静薬として使用していたこともあったそうです。

実はこの白い液体がレタスの名前の由来にもかかわっています。レタスの語源はラテン語の「Lectuca(ラクトゥーカ)」。Lec が牛乳を意味しています。また和名においてももともとの漢字は「乳草」。この乳草(ちちくさ)が変化して「ちさ」になり、現在の「チシャ」になったと言われています。英語名・和名どちらも、乳のような白い液体を出すことから命名されたのがわかります。

レタスを使ったロマンチックなサラダ

その名も「ハネムーンサラダ」。レタスだけを使ったサラダのことです。なぜこれがハネムーンサラダと呼ばれるかご存知でしょうか?

「レタスだけ」を英語で言うと lettuce alone(レタス・アローン)。これが「私達だけにして」という let us alone(レット・アス・アローン)」、もしくは「Let us only(レット・アス・オンリー)」という音に似ていることから、レタスだけのサラダのことを「ハネムーンサラダ」と呼ぶようになったのだそうです。

レタスは淡色野菜?緑黄色野菜?

レタスというと色が薄いので淡色野菜と思われがちですが、実はレタスには多種多様な種類があり、それぞれの種類によって淡色野菜と緑黄色野菜の区別が異なります。

  • 淡色野菜
    • 玉レタス(土耕栽培)
    • ロメインレタス
  • 緑黄色野菜
    • サラダ菜
    • リーフレタス
    • サニーレタス
    • サンチュ
    • 玉レタス(水耕栽培)

日本食品標準成分表2015年版(七訂)によると、実はほとんどのレタス類は緑黄色野菜として分類されています。面白いことに玉レタスも水耕栽培されものは緑黄色野菜になります。そもそも淡色野菜と緑黄色野菜の区別は、可食部100g当たりに含まれるβカロテンの含有量で決められているのです。βカロテン含量が600μg以上のものが緑黄色野菜、600μg未満が淡色野菜です。同じ玉レタスでも土耕栽培か水耕栽培するかでβカロテンの含有量が大きく異なり、土耕栽培されたものは含有量が240μgなのに対し、水耕栽培されたものは710μg。つまり水耕栽培されたレタスは緑黄色野菜としての分類となるのです。

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